ペットを思う

11/6/14

散歩中の交通事故や獣医院の医療事故でなくなるペットが増えている。
ペットが死んだときに,その賠償はどうなるか。

ペットショップで買った犬や猫は,つけられていた値札の値段で決まるのか。
買ってから,5年経っていると車と同じに減価償却をして買った値段の1割になるのか。
あるいは,減価償却済みでゼロと言うことになるのか。
ペットショップで売られていない,捨て犬・捨て猫とかもらってきた犬や猫には価値がないというのか。
しかし,長年一緒に暮らせば家族と同じような価値をペットも持つのではないのか。
ペットをなくした飼い主の悲しみはどうしてくれるのか。

ペットも法律からみればもの扱いである。
そうすると,ものが壊れて使えなくなって悲しむ人に慰謝料を請求する権利はない。
従って,買い主からみればペットが事故で殺されたと思っていても泣き寝入りなのだ。

動物好きの弟のおかげで,子どもの頃は,拾ってきたり,もらってきた犬が家には必ずいた。
そして,我が家に7年近くいた雌のゴールデンリトリバーを3年前に送った。
これも飼い続けることができなくなった人から譲り受けた犬だった。
認知症になった母にもなつき,母は他の記憶はなくなっても,その犬のことだけは最後まで覚えていた。
恐がりで甘えん坊で,大きな図体の年寄りになっても子犬のように膝の上に乗りたがった。
見栄っ張りで,池や川を見ると平気で飛び込み,びしょびしょになって遊んだ。
ドライブや散歩をして,うれしさのあまりにしがみついてきた。

彼女の体に異変が起こったのは夏の暑い日だった。
体が動かずに庭にへたり込み,その後は二度とは歩くことはなかった。
そして3週間経つか経たないうちに旅立った。

いよいよ,という時に,彼女は周りに集まった彼女を愛した人間を順番に見渡した。
それは,まるで,最後に「ありがとう。幸せでした。」と語りかけるようだった。
そして,断末魔は,苦しいのか悲しいのか分からなかったが,涙を流しているようだった。

動物に人間と同じ感情とか精神とかが,実際にはあるかどうかは分からない。
動物の行動について,人間が自分勝手に解釈しているだけかもしれない。
しかし,ペットと人間には決して軽くはない共有した時間がある。
それに対しては,きちんと賠償をするのが筋ではないか。と思う。

問題は,その理屈だ。それが難しい。        
                                                   岡田まさき

投稿者 musashino-law | 2011年6月14日 00:00

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