アジサイの花に思う


事務所の近くに,アジサイの花が咲いている。
みんな紫色かと思えば,スカイブルーから,赤色が強いものまで色とりどりである。
同じアジサイと言っても,こうも違うものかと感心する。
漢字で紫陽花というのは,当て字としては美しく,上出来である。

そういえば10数年前に訪れた鎌倉のアジサイ寺も,見事にばらつきがあったことを思い出した。
アジサイの花言葉にはいくつかあるが,その中に移り気というのがある。
色がさまざまに変化する,人間から見ると花が自分の意思で色を変えているように思えるのだろうか,
そのことを捉えて移り気という花言葉を授けたのだ。移り気とは浮気にも通じる。要は心変わりしやすいということだ。

アジサイの色は,その育った土のPHつまり酸性度によると言う話は昔から知っていた。
アジサイの色はリトマス試験紙なのだ。
最近,アジサイの色は,土のPHだけではなくアルミニウムイオンも関与していることを知った。
そうか,それで同じ土でも,隣のアジサイとは花の色が違うのか。
しかもアルミニウムイオンが微妙な働きをするというのだ。
どおりで同じ木でもアジサイの花の色が微妙に違っているのか。
アジサイは,好き勝手に色を変えているのではなく,自分が育った土の,それこそ神の見えざる手によって,色を塗られているのだ。
そうなると,移り気という花言葉はアジサイにとっては,失礼千万なことかもしれない。

アジサイの花の咲く頃になると,弁護士になった年のことを思い出す。
その頃は,司法研修所を4月に卒業して弁護士登録をするのだが,弁護士というものはどういうことをするのか,何となく分かりかけた頃である。

ある人が言っていた。「事件が弁護士を鍛え育てる」「依頼者が弁護士を鍛え育てる」
言い得て妙である。その真意は,それからずいぶん経ってから分かってきた。
現実として目の前にある事実に直面して弁護士は弁護士になろうとするし,なっていくのだ。
頭の中で考えていたこと,あるいは学問として教えられていたこと,それだけでは到底歯が立たない現実。
その中で,事実に食らいついてして理論と結びつける格闘をする。

弁護士も与えられた事実という土でアジサイの花のように色を変えていくのだろうか。
一つ違うことは,私にはアジサイにはない足があって動き回ることができることだ。
まだまだ私も事件と依頼者に育てて鍛えていただきたいと思う。   岡田まさき

投稿者 musashino-law | 2011年6月10日 17:30

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